ランニングアプローチの変貌

日本のツアープロゴルファーの多くは、SW(サンドウエッジ)だけでほとんどのアプローチをカバーしています。

その一方で、アメリカからはウッドを使ったランニングアプローチの方法が押し寄せてきました。

5番ウッドを使用してパット感覚でランニングアプローチをしてみるのも面白いかもしれません。

今回はツアープロの世界を通して、最前線のアプローチ方法を紹介します。ゴルフスイングの基本の幅を広げてください。

日本のツアープロの面々は十数年前までは、8番アイアンなどを使ったランニングアプローチはほとんどしていませんでした。

ボールに強いスピンをかけて止めることを想定せず、転がして寄せるランニングアプローチの技術は海外でのツアーでは必要不可欠なものであるにかかわらずです。

例えば、全英オープンゴルフなど固い地盤に支えられているコースではランニングアプローチは必要不可欠なテクニックです。

日本とは対照的に、アメリカやヨーロッパを遠征するツアープロの間では「ウッドでもアプローチできる」という認識が浸透しています。

T・ウッズが1996年にプロデビューしてからは、日本でも彼の人気と共にランニングアプローチも本格的に注目されてきました。

しかし、それ以前からラフや花道、さらにはグリーン周りからウッドクラブを使用したランニングアプローチを取り入れるプロゴルファーも少しずつ増えてきました。

経験したことがない人にとっては、先入観としてウッドでは距離感が合わない理由で見送っていた人も多かったのではないかと思います。しかし、例えば全英オープン・2004年が一つの先例となるでしょう。

アメリカ人のT・ハミルトンがプレーオフの末に優勝を決めたのは、ウッドに近いタイプのユーティリティーでのアプローチショットでした。お勧めできるのは5番ウッドでのアプローチです。

パターよりもロフトが大きいため、キャリーが出るばかりでなく、オーバースピンのかかった転がりの良いショットを打つことがでます。

スポンサード リンク


ゴルフスイングのポイントになるのはアイアンと比較すれば長いシャフトをグリップエンドの下までの短い位置で握ることです。

つまり、これによってボールの近くに立つことができるわけです。その際、クラブヘッドのトゥー側も地面に近づけることで、スイートスポットを外す意識のゴルフスイングを目指すことが良いでしょう。

このアプローチショットを体得してしまえば、アイアンでボールの手前を打ってしまう「ザックリ」の不安も解消できます。パット感覚で打つことで、距離感はクラブヘッドの振り幅で微調整が可能です。

何事も挑戦しなければ進歩は期待できません。

サンドウェッジに限らず、アプローチショットで得意なクラブ1本を持つことはスコアメイクする上で大切なことですが、それがウッドであっても何ら問題ありません。

練習やラウンドを通じて積極的にチャレンジしてみてください。欧米のゴルフ場はフェアウエーが洋芝がほとんどですから、日本の高麗芝とは少し違ったアプローチショットが必要になります。

海外ツアーのテレビ中継を見ていると、プレーヤーがグリーン周りからサンドウェッジを目いっぱいオープンにして、ボールをフワッと高く打ち上げて寄せるシーンがよくあります。

しかし、そうした状況は実際にはそれほど多くありません。アプローチショットの基本はランニングと言って良いでしょう。ゴルフスイングのマスターには欠かせないショットです。

ガードバンカーや背丈以上ある砲台グリーンという状況は別にして、ピンに寄せる基本のアプローチにはパターが一番精度が高いと言えるでしょう。

そしてパターでは難しいシーンでは、7番アイアンなどの転がしのクラブとなりますが、その中には、フェアウエーウッド(FW)を使用する方法も含まれます。

T・ウッズも時折使用するテクニックですが、ボールがカラーにある状況で、その上ピンまでの距離が長いケースに有効です。

また、ボールの真後ろにラフがあるシーンではFWが役に立ちます。

パターはロフトが少なすぎてカラーの芝草に食われてしまい距離感を保ちにくものです。ボール手前の芝の抵抗で大ダフリという事態も予想されます。

スポンサード リンク



5Wなら18°、7Wなら21°前後のロフトがあるので、ボールの打ち出しでカラーを飛び越えていくメリットが見えています。

その上、ソール幅が広いので芝草の抵抗が少なくなり、ヘッドが滑ってくれてスムーズなストロークが容易にできます。

FWをパットの要領で短めに握り、オープンスタンスに構えてパッティングの要領でボールを転がすテクニックを使うわけです。

これがFWでのランニングアプローチのゴルフスイングです。

パターをFWに替えただけのゴルフスイングですから、新しくテクニックをマスターする必要もなく比較的容易にすぐできるでしょう。

注意が必要なのはボールに近づきすぎない点です。余りにボールに近づきすぎるとグリップ位置が高くなって、ヘッドのヒール側が浮いてしまいうまうボールをとらえにくくなります。

グリーン周りからのアプローチショットでトップやザックリのミスショットはスコアを落とすだけではなく精神的にもつらくなります。こうしたミスショットを防ぎ、確実にピンに寄せるひとつの対策がFWによるアプローチが有効なのです。

ランニングアプローチのゴルフスイング

ランニングアプローチのゴルフスイングの手順について説明します。

ボールを低く転がして寄せるアプローチショットとして、グリーン周りや花道でグリーンの段差が少ない状況で使うゴルフスイングがランニングアプローチです。

基本となるゴルフスイングのイメージは「パター以外のクラブでパットする」と考えてみるとかなり近いと思います。

ランニングアプローチで最大のポイントになるのは、アドレスです。

ランニングアプローチの基本のゴルフスイングは、言葉にすれば非常にシンプルなものです。アドレス時にインパクトの形を作り出して、それを再現すればいいという話になります。

クラブヘッドの位置よりもグリップの位置が先行するハンドファーストの構えをとることが大きなポイントになります。

アドレスの作り方としては、最初に通常のショットを打つように素振りを行ってから、インパクトの瞬聞に動きをストップします。その体勢をキープしたまま、右足を左足に近づけてください。

この手中を踏むと自然にボールの位置は、右足の前になります。右足外側のくるぶしの延長線上にボールがあればOKです。

そうすれば、クラブヘッドの位置がグリップの前にくる「ハンドファースト」の構えもできるはずです。

スポンサード リンク



体重配分の方法としては、体重は左足に乗せておきます。

飛距離を出す必要はないのがランニングアプローチですから、余計な体重移動はしないように注意します。

あくまでインパクトでアドレスの再現をすることが重要なポイントになるので、左足に体重を乗せた構えを重視してください。

グリップの握り方は通常のショットと同じでも、パットの握り方に合わせても、どちらでも問題ありません。自分のゴルフスイングがしやすく、イメージしやすいグリップ方式を採用すれば良いと思います。

握り方よりも大切なのは、クラブを短く持つことで、シャフトと左腕の角度が直線的になるように構えることです。グリップの高さは通常のショットよりも高くなるハンズアップが基本です。

さらにクラブヘッドのトゥー側が接地するように構えれば、ボールにより近づいたアドレスが出来上がるでしょう。

アドレスした時のハンドファーストの構え、特に右手首の角度を維持したままのゴルフスイングすることがランニングアプローチの大きなポイントとなります。

振り幅は左右対称形にするのが基本です。距離感はその振り幅によってをコントロールします。

手首を固定するフォームですから、余計なクラブフェースの動きは無用です。

テークバック、ダウンスイング、インパクト、フォロースルーと一連のゴルフスイングの中でフェースの向きは、一貫してターゲットに向けておくことが必要です。

使用クラブの種類によって、同じ距離を打ってもキャリーとランの比率は異なります。

ロフトが立っているクラブほど、ランが多くなってキャリーが少なくなります。7番アイアンなら、かなりのランが出るでしょう。

逆にSW(サンドウェッジ)を持つと、ハンドファーストの角度を深くしてロフトをいくら立ててもボールにスピンがかかってしまいランは短くなります。
009
クラブ選択の面から考えると「これなら何とかなる」と自信の持てる得意なクラブを1本つくることが理想的でしょう。

自分なりの距離感がつかめやすいクラブなら、7番アイアンでも9番アイアンでもAW(アプローチウエッジ)でも何でも構いません。

アプローチショットでもパッティングと同様に、タッチのセンスが非常に大切です。

大きく振りかぶってスイングすることは必要ありませんので、アプローチショットも屋内で気楽に練習することが可能です。

スピンがかかるランニングアプローチ

スポンサード リンク



スピンがかかるランニングアプローチについて、もう一度まとめておきます。

ランニングアプローチは、アプローチの中でもっとも簡単かつ確実な打ち方であることは説明したとおりです。

コックを利かせてボールの横をコツンと打つ打ち方とパットの要領で打つ打ち方です。

コックを利かせてボールの横をコツンと打つ方がボールにある程度スピンがかかるランニングショットになります。

コックを利かせてボディーターンを使ってスイングする

スピンのかかるランニングアプローチの構え方から説明します。

ボールのセット位置は右足寄りにして、ロフトを立てるようにハンドファーストに構えます。

体重配分は、左脚7対右脚3くらいの左脚体重です。使用クラブは、7番~サンドウェッジまでです。

ランをだしたいときは7Iを使用して、それ以降はランをどの程度にしたいかでクラブ選択します。

実際の打ち方は、コックを利かせてボールの側面をコツンと叩くように打つことです。払い打つイメージではありません。

上からボールギリギリの所にヘッドを入れていくような感覚です。クラブヘッドは鋭角的に振り下ろされてきて、ボールにはスピンが加わります。

この際に、あくまでもボディーターンが主体で、左手リードの形で左手の側面をターゲット方向に振り抜いてやる要領で打つと、クラブヘッドが走ってダフリにもなりません。

このランニングショットのメリットは、少しくらいライが悪い状況でも打てるということにあります。

コックを利かせた上に、スイングをボディーターン主体でおこなうのでライが多少悪いところでダフってもヘッドがそれをものともせずに突き進んでうまく打てるはずです。

パッティングの練習

パッティングの練習では、円をイメージしてそこに入れる要領で行えばよいのですが、アプローチショットでもまったく同じ感覚です。最初は距離感、そして方向性をマスターしていきます。

最初のうちは1メートル程度の間隔で引いた2本のラインの中間に、ボールを止めるトレーニングからスタートするといいでしょう。

カーペットなどにひもやテープでマーキングして、ゲーム感覚で試してみましょう。まずは2本のラインの間に止める距離感を養って、次に円を使った方向性のトレーニングに移っていきましょう。

スポンサード リンク



少しこれに慣れてきたら円をイメージして狙ってみましょう。円の大きさは半径が距離の1割くらいと考えれば良いでしょう。

つまり、たとえば30ヤードくらいのアプローチなら、半径3メートルくらいの円をイメージして、そこに入る気持ちで打てばいいわけです。

うまくできるようになったら、様々な高さの障害物を途中に置いて仮想的なコースをつくって、挑戦してみるのも悪くありません。

この場合はゲーム感覚で楽しくトレーニングすることができるので、さまざまなパターンで家族や仲間と競争してみるのもいいでしょう。

アプローチショットとパッティングとの違いは、上げるか転がすかという点にあります。

ボールの下にしっかりクラブが入っていかなければ、上げるのは無理な上にトップしてミスショットになりやすものです。

目標地点がそれほど遠くないだけに、欲が出てミスショットしやすい面もあります。目の前に障害物などを設置して、それを飛び越して距離を合わせるトレーニングも効果があります。

こちらの記事もどうぞ!

  • アプローチショットの種類アプローチショットの種類 アプローチショットやパットの技術が1打でも少なくラウンドしたいというゴルファーなら当然持っている願望を支えるものになります。ドライバーでの […]
  • バンカーショットのゴルフスイングバンカーショットのゴルフスイング バンカーショットは、今までの概念では「打ち込む」という感覚でしたが、それを一切捨てて基本はクラブヘッドを滑らすイメージでとらえて下さい。バ […]
  • スピンショットのゴルフスイングスピンショットのゴルフスイング スピンをかけてピタリとボールを止める「スピンショット」もまた、ロブショットと同様に特別なアプローチショットです。プロも多用するこのゴルフス […]
  • つま先下がりのゴルフスイングつま先下がりのゴルフスイング ボールが足よりも低い位置となるのが「つま先下がり」のライです。ゴルフ場の斜面でよく遭遇するシーンですので、この場合のゴルフスイングについて […]
  • ピッチ&ランのゴルフスイングのポイントピッチ&ランのゴルフスイングのポイント アプローチショットの中でのピッチ&ランのゴルフスイングについて説明しておきます。まずはキャリーとランの比率がほぼ5対5になるのがピッチ&ラ […]
  • ザックリ防止とバンスザックリ防止とバンス ザックリ(ダフリ)とトップはアプローチショットにおいて、致命的なミスになります。グリーン周りからパーを取るチャンスだったのが一転して、大た […]
  • ゴルフスイングのアプローチは状況次第ゴルフスイングのアプローチは状況次第 グリーン周りからのゴルフスイングになるアプローチは、いつでも条件の整った花道やフェアウエーからだけとは限りません。当然ラフからのケースもあ […]
  • アプローチショット・ロブショット編アプローチショット・ロブショット編 ボールを高く打ち上げ、そのボールの自重だけでターゲットの近くにボールを止めるテクニックがロブショットと呼ばれるゴルフスイングの一種です。ア […]
  • 冬ゴルフのアプローチの基本は「転がし」冬ゴルフのアプローチの基本は「転がし」 冬場のアプローチショットでは、転がしで攻めることが定石です。グリーン周りからでもパターや5Wを使ってみるのも良いでしょう。ゴルフスイングの […]
  • 冬場のアプローチとフェードボール冬場のアプローチとフェードボール 冬場のアプローチショットではフェードボールを打つイメージでゴルフスイングに臨むことでミスショットを防止しましょう。芝が枯れた冬場のゴルフコ […]
スポンサード リンク

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ